製作秘話 -HEALING co.,ltd.

Size change:

信楽焼 浴槽 楕円形 製作秘話 ~浴槽のポルシェを作ろう~ 後編

信楽焼 浴槽 楕円形 製作秘話 ~浴槽のポルシェを作ろう~ 後編

新型 陶浴槽製作 楕円形版 後半の様子を製作者からお届けいたします。

さて、前回は成形仕上げを行っているところまでお伝えしましたが、
後半は順調に乾燥した生地の磨き工程と、施釉(釉薬掛け)工程の内容になります。
新型楕円は、経験上、乾燥には問題ないだろうと考えていました。
ただ、底面に近い部分は、従来の2倍ほどの厚みがあるので、そのことだけ注意すれば、変形など心配することはありませんでした。
長方形などの反抗期を迎えたような浴槽の乾燥とはちがって、本当に素直に乾燥してくれます。
慎重な乾燥を終えて、側面磨きに入りました。

信楽焼き 陶器浴槽 楕円型 磨き工程前

写真は磨きの前の状態です。表面に凹凸が確認できると思います。

信楽焼き 陶器風呂 楕円型 削り工程途中 接写写真

次の写真は削り工程の途中の表面の接写です。
削ると砂面状になりますが、これに釉薬がかかると暖かな良い表情になります。

信楽焼き 陶器浴槽 削り工程終わり

次の写真は削り工程が済んだ浴槽の表情です。
磨き工程は全て手作業です。
一旦磨いた後に四方八方から眺め、直接手のひらで触りながら凹凸を均一化させていきます。
何度も何度も撫ぜます、凹凸は見ているより手で触るほうが確実に判ります。
手の平が赤くなろうと関係ありません。
成形担当者と私と晩くまで浴槽を撫ぜまくり、磨きました。まるで・・・愛撫ですね。

信楽焼き 陶器浴槽 楕円型 施釉

そして、やっと削り工程が完了しました。
次の工程は施釉になります。
施釉は、スプレーガンを使用して行いますが、吹き付けた量・厚みは指の爪を立てての目視判断です。
何度も重ねて吹き、最後にバドガシュタインを吹き付けます。

信楽焼き 焼成中

最後は焼成ですが、5日間を要します。後は傷が出ないように祈るだけです。
当然のことながら、毎回特別な一槽の注文でも、万が一の場合に備えて、スペアは製作しています。何せ「割れ物」ですからね…。
スポーツカーのポルシェも、こうして人の愛情が込められているのだと思います。良いものを作ろうとする気持ちがないと、見えない所まではなかなか磨けません。
しかし、そうした行為こそ、人の心に伝わるのではないでしょうか。

余談になりますが、実は浴槽の底面裏側にT.Y.のサインがしてあります。
浴槽の製作から施釉までを 一人でこなした浴槽製作部のメンバーのイニシャルです。
「君にまかせたこの浴槽、自信があるなら サインをして下さい。」と言ったからです。
私の記憶に間違いがなければ、独立前のポルシェさんが ベンツにいた頃、自分の作ったエンジンに”Porsche”と刻印をしていたそうです。
自分の真心を提供する自信があったからこそ、出来たのでしょうね。 (完)

信楽焼き 陶器浴槽 楕円形 完成!

新形 信楽焼 陶浴槽のラインナップはこちら

Microbubble Germanium&Bad Gastein Shigaraki Bath -Gayubi-

Germanium&Bad Gastein Shigaraki Bath -Gayu-

Germanium SHIGARAKI Ceramic Bath -Garaku-

Back to Top